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Column

 

体系化「IRレベル3」(その1)

今回は、「IRレベル3」の解説をします。
まず最初に、前回までの「IRレベル1」と「IRレベル2」では、残念ながら「実際の投資には繋がらない」とお伝えしましたが、まずはその理由から解説します。

 

 

「理解」レベルでは投資に繋がらない
投資家は「IRレベル1」から「IRレベル2」の企業に対し、「理解」→「分析」→「比較」を行っていくのですが、企業が「発信頻度・発信チャネルの増加、発信内容の多様化」(資料や活動の増加・多様化)をいくらしても、投資家はあくまでも「理解」している状態にすぎません。
つまり会社が伝えていることは「理解」しているが、「納得」しているわけではないので「投資」には繋がらないのです。

 

 

「理解」レベルを「納得」レベルに引き上げる
では、「理解」している投資家を「納得」レベルまで引き上げるためには、どうすればよいでしょうか?
投資家が企業を「理解」しているという状態は、企業の言い分を聞いたり資料を読んだりして、ただ単に「理解」しているだけで、そこには投資家の「考え」や「意見」は関与しません。
しかし、投資家が「納得」した状態というのは「企業の言い分」と「投資家の意見や考え」が合致し、投資家が「企業の言い分」を「受け入れる」こと、つまり「私も企業の言い分に対し、そう思う」と合意することです。これが「納得」するということで、「納得」しなければ「投資」には繋がらないのです。

 

具体的に、I R活動を想定して考えてみましょう。
「レベル2」までIR活動をしている企業の場合、
投資家の目前には、企業が開示した多数の資料やデータが揃っている状態です。
したがって企業に多少なりとも関心を持った投資家は、多くの資料やデータをみて自分なりに考えた「企業が成長する理由、なぜ成長するのか」という「意見や考え」を持っています。
例えば「A社は他社が真似できない技術的な優位性があるから、今後収益が上がるはずだ」という「意見」を投資家が持っているとします。
この様な「意見」を持った投資家を「納得」させるには、企業は「他社が真似できない技術的な優位性がある」という事について、「より詳しく、より深く、よりわかり易く」説明し、投資家が「確かにA社には、他社が真似できない技術的な優位性がある」と確認できれば、その時点で投資家と企業の「意見の合致」、すなわち「合意」が成立し、「理解」していた投資家が「納得」した状態へとレベルアップするのです。


この様に、投資家が企業について「納得」している状態のことを、C&Aでは「真の企業理解」とよんでおり、企業は投資家が「真の企業理解」をすべく最大限の努力をする必要性を創業から一貫して説いています。

 

 

「知的資産」とは、「何」を「どの様に」伝えるかの「何」のこと
したがって、企業は、投資家が「真の企業理解」をする為には、企業の「何」を「どの様に」伝えればいいのか、ということをまず最初にしっかり考えて「IR戦略」を策定していく必要があります。
そこで問われるのが、この企業の「何」を「どの様に」伝えるかの「何」です。
実は、この「何」というのが、「知的資産(IA)」であり、投資家を「納得」させる上で最も重要な要素と言えます。
そして、この「知的資産(IA)」の抽出と、「知的資産(IA)」が「どの様に作用して価値を生み出しているか」を分析・解明したものが「価値創造メカニズム(VCM)」であり、開示資料には記載されていない「企業の将来収益の源泉」となる最も重要な情報なのです。

 

したがって、投資家を「理解」レベルから「納得」レベルまで引き上げるために「◯◯について、より詳しく、より深く、よりわかり易く」説明するということは、
「知的資産(IA)」と「価値創造メカニズム(VCM)」をわかり易く可視化することに他なりません。
先ほどの例で言うと「企業が成長する理由」を自分なりに考えている「理解」レベルの投資家に対し、企業自身が考える「成長する理由」を「知的資産(IA)」と「価値創造メカニズム(VCM)」の可視化をすることでよりわかり易く伝え、「私も企業の言い分に対し、そう思う」と「合意」・「納得」させる事、つまり「真の企業理解」をさせることができれば、「投資」に繋がるのです。

 

 

「理解」から「納得」のプロセス

「IRレベル3」で、投資家を「理解」レベルから「納得」・「真の企業理解」レベルに引き上げるためには
1)「知的資産分析(IAA)」により、「知的資産(IA)」を抽出し、「価値創造メカニズム(VCM)」を分析・解明する。
2)どの「知的資産(IA)」と、どの「価値創造のメカニズム(VCM)」を投資家に伝えるか「選択」を行う。
3)「選択」された「知的資産(IA)」と「価値創造メカニズム(VCM)」を、誰にでもわかりやすく「可視化」する。
4)「可視化」された「知的資産(IA)」と「価値創造メカニズム(VCM)」を、全ての開示資料に反映させる。

 

上記が、投資家を「理解」レベルから「納得」・「真の企業理解」レベルまで引き上げるプロセスの解説、「IRレベル3」(その1)でした。
(その1)と書いているのは、(その2)と(その3)が今後あるということで、引き続き次回以降解説していきます。